ドクター

病棟のナースステーション前に着いた時、ナースステーションから実加を心配する声がかけられる。




「ごめんなさい。」





実加は頭を下げると、思わぬ行動に看護師たちは驚いているが、すぐに優しい言葉をかける。





それから病室に戻る途中、廊下の奥から斉藤先生が走ってくるのを見つけた。






「実加!
何やってんだ!?」





廊下で実加を叱る。
実加はビクッと体を動かし、俯いたまま「ごめんなさい。」と呟く。
   




その言葉を聞いて、斉藤先生はそれ以上何も言うことなく実加を部屋に連れて行った。
部屋に行き、実加はベッドの上でも俯き顔を上げない。
手早く斉藤先生が実加を診察している。
最低限の質問には答えるが、それ以上は何も言わない。




不信に思うが、体調は悪くなっていないが、顔色が悪いことは心配でならない。
それでも、話そうとしない実加を問い詰めることはできず、実加の病室を離れた。

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