ドクター
「実加、どうだ調子は?」
仕事が終わり実加の病室にやってきた斉藤先生。
体を起こして、斉藤先生に向き合う実加。
「晩ご飯は、なんとか食べれました。」
「そうか、それなら良かった。
それからな、その、実加が何で悩んでるか分からないけど。
これだけは言っておく。
実加が家族として俺の前に現れて、俺は何も迷惑じゃないから。
そりゃ、最初は驚いけど。
どう接したらいいか分からなかったし。
でも、今は大切な家族だから、何かあれば、俺を頼って欲しい。
実加は俺にとって、大切な家族なんだ。」
実加は思わぬ言葉に口が開いたまま。
言葉が出ない。
「実加?」
斉藤先生に顔を覗かれ、ようやく斉藤先生の顔を見る。
「そんなこと、思ってもらえて驚きました。」
「そんな固くなるな。
兄妹だ。敬語もやめろ。言いたいことはちゃんと言えばいい。」
そう斉藤先生が言うと、実加は頷いた。
「でも、何に悩んでたんだ?」