ドクター

「実加、どうだ調子は?」 


 
   


仕事が終わり実加の病室にやってきた斉藤先生。
体を起こして、斉藤先生に向き合う実加。






「晩ご飯は、なんとか食べれました。」






「そうか、それなら良かった。






それからな、その、実加が何で悩んでるか分からないけど。





これだけは言っておく。






実加が家族として俺の前に現れて、俺は何も迷惑じゃないから。






そりゃ、最初は驚いけど。
どう接したらいいか分からなかったし。
でも、今は大切な家族だから、何かあれば、俺を頼って欲しい。
実加は俺にとって、大切な家族なんだ。」







実加は思わぬ言葉に口が開いたまま。
言葉が出ない。





「実加?」





斉藤先生に顔を覗かれ、ようやく斉藤先生の顔を見る。 






「そんなこと、思ってもらえて驚きました。」







「そんな固くなるな。
兄妹だ。敬語もやめろ。言いたいことはちゃんと言えばいい。」





そう斉藤先生が言うと、実加は頷いた。

 



「でも、何に悩んでたんだ?」
< 60 / 161 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop