ドクター
「斉藤先生っ!?
あの、
一度、DNA鑑定をしたほうがいいと思います。
私が言うことではないと思いますが。
その、家族でないなら、自由に実加ちゃんを想えばいいのだと。
斉藤先生を好きな私が言うべきことではありませんが。」
「どういうことだ?」
「先ほどのお話、誰にもいいません。
斉藤先生も、他の人には言わないほうがいいと思います。
ご自身で気づかれていないと思いますが、斉藤先生は、実加ちゃんのことを好きなんだと思います。
それは、兄妹ではなく。
一人の女性として。
それでは、私はここで失礼します。」
というと、工藤は去っていった。
斉藤先生は、今言われた工藤の言葉を、頭の中で反芻していた。
俺が…………実加を、好き…………