クロ * Full picture of the plan * Ⅳ



「……ただ、お前にやって欲しいことがあるだけ。」



「…やって欲しい、こと??」



いつになく真剣な顔をする向日葵を、俺はじっと見つめて待った。



「そう。
俺はあいつらにお前が"スパイ"だということは言わない。
そして、お前は俺のやって欲しいことをする

どうだ?いい条件だろ??」



…一瞬、向日葵がボスに見えた。



それくらいの恐怖を、初めて向日葵に感じた時だった。



「…その、やって欲しいことって?」



嫌な予感を感じながら、恐る恐る訊ねた。



「お前には、俺が指示を出すまで、
このまま"ボス"に情報を流して欲しい。」



だからそう言われた時、ありえないって思った。



「…は?
な、!?嫌だ!!俺はもう!!」



俺が好きでやっていないことなんて分かってるくせに、何でこんなことを言うのかがさっぱりだった。



「別にどっちでもいい。
これは俺からのお願いだ

別にやらなくたっていいが、俺はお前が"スパイ"だとあいつらにバラすまでだ。」



向日葵がそう言って去っていこうとするのを、俺は必死で止めた。



「…っ、わかった!!
やってやる!!叶えてやるよ、その願い!

だから、あいつらにだけはっ!!!!」


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