クロ * Full picture of the plan * Ⅳ
神楽「一回目は、全然覚えてなかったけど俺が藤井家に来た時。
伊織がいなければ俺は藤井家にはいなかったし、多分青星にさえ入ってなかった。」
伊織「それは!」
神楽「二回目は、青星を抜けようとした時。
まぁ、あれは幹部全員のお蔭って感じだけどさ。救われたのは事実だよ。
ってことで、俺は解雇に反対ね。」
神楽が伊織の言葉を遮り、笑顔でそう言い切ったことにより、少し空気が軽くなった。
それと同時に今度は2人に視線が向けられる。
神楽「凪と彼方は?」
そんな2人を急かすように神楽は問いかけた。
凪「…十代目は伊織がいたからこそだ。」
覚悟を決めたように真剣な表情で伊織を見つめ、言葉を続けた。
凪「お前はスパイとして情報を流していたのと同時に俺たちの情報を守ってきた。
本当に青星がどうでもいいなら守る必要なんてなかったはずだ。
…でも、お前はあえてそうしなかった
だから俺はお前を信じる。」
俺も解雇には反対だ。と言い切り、再び無表情へと戻った。
…正直、意外だった。
他人には興味を持たない凪が、スパイで一応裏切っていた伊織を必要だと言ったことが。