クロ * Full picture of the plan * Ⅳ
和月「度が違う?同じだろ!!
俺たちを騙してたのは変わらない!
それなのに、輝たちはダメなのかよ!?」
沙夏「それはっ…」
和月「俺は!!輝たちより伊織さんの方が許せないんだよ!!
伊織さんは元々スパイとしてここへ入ったんだろ!?なら、元々俺たちを騙して裏切るつもりだったんだ!!
でも!輝たちは元々やっててここに入ったんだろ?
確かに犯罪かもしれない。でも、入る時に殺し屋だと言われたら歓迎したかよ!?
輝たちは言わなかったんじゃない!言えなかったんだよ!!」
勢い任せに言ったこの言葉は全部嘘じゃない。
事実、俺は伊織さんがスパイをやってたことの方が許せない。
輝は言っていた。
そうすることでしか生きられない。と、
琥珀たちもそうなのかは知らないけど、俺の知らない世界で輝たちは命と向き合ってきたんだ。
…それなら、俺は知りたい。
どう、琥珀たちがその世界で生きてきたのかを。
比呂斗「っ…じゃあ、カズはあいつらの過去を知って、死ぬ覚悟があるのかよ?
死ぬかもしれないんだぞ!興味本位で知ったら…っ」
和月「死ぬ覚悟なんてない。
死ぬのは怖いし、覚悟なんて到底無理だ。」
比呂斗「じゃあっ!」
和月「でも俺は向日葵に、ソラに、助けられたんだ。あの時ソラが話しかけてくれなかったら、今頃俺と亜月がどうなっていたか分からない。
それこそ死んでいたかもしれない。
だから俺は、ソラに、向日葵に、どうしても恩返しがしたい。こんな俺でも役に立つのなら、俺は何だってしたいんだ。」