クロ * Full picture of the plan * Ⅳ
西園寺騎士 side
-琥珀が端末のスイッチを入れる数分前。
俺と一さんが運転したリムジンは琳歌の家、Dark Moonに停まった。
裏の駐車場に車を停めた俺に、一さんはわざわざ車から降りて話し掛けてきた。
一「騎士様。
私は会社の方へ戻っておりますので何かあれば呼びつけてくださればすぐに伺います。
…どうか、お嬢様を宜しくお願いいたします。」
深く俺に頭を下げた一さんに俺は何も言えないまま、一さんは去ってしまった。
…一さんを見送った俺は、表に周り店へ入った。
……だが、
琥珀「騎士。」
店に入ったすぐのところで琥珀に腕を引かれ、店から死角のところへと連れていかれた。
騎士「なんだ。」
琥珀「…これ。
ありがとな、いきなりで悪かった。」
俺に重いアタッシュケースを渡した琥珀は、礼と謝罪を言って琳歌たちの元へと向かった。
…重いアタッシュケースの中身は確認するまでもない。
金だ。
何故琥珀が俺に渡してきたのかは理解しているが、すぐ用意出来たのか…?
あれだけの金を、、。
……この金は俺が琥珀からメールを貰い用意した、端末とイヤホンの金だろう。
それらの機械は、元々うちの会社(虹グループ)の傘下が作っているもので、超高性能+超小型+新商品のため、世間一般にはまだ発売されていない商品だ。
…まぁ、だから余計に高値で、しかもあの数を用意したのだからかなりの額が掛かった。