クロ * Full picture of the plan * Ⅳ

祭星藍 side




志「組の方にも同じような紙があったのか?」



星藍「あぁ、あったよ。
虹羽組は虹羽都兎に継がせるってな
その紙と一緒に智軌さん直筆の遺言書も入ってた。」



親父に確認したから間違いねーよ。と騎士と同じく持ってきた封筒から紙を取り出して見せた。



…俺も幼少期に会ったことがあるだけで、顔は直接は覚えていない。



組内にある写真で見たことがあるくらいだ。



けど、親父は智軌さんと数年間仕事してたから智軌さんの筆跡がわかるらしい。



確認したところ、智軌さんの筆跡で間違いないと言われた。



…つまりは、遺言書は本物だということだ。



琥珀「…ってことらしいな。
これで騎士たちがいる理由、わかっただろ?」



'向こう'で聴いていた、この話の発端である比呂斗に向けて言ったらしい。



『ああ、さんきゅーな。』



'向こう'もそれに気が付き、返事を返した。



琥珀「…じゃ、次は何が聞きたい?」



星藍「…1つ聞いていいか。」



琥珀「なんだ?」



なんとなく、ここへ来たこと、ひまが居なくなったことでわかってはいる。



…でも、直接は聞いてないから、どうしても気になった。



星藍「お前らは"全部"思い出したのか?」



一回目の記憶喪失前のことも、二回目の記憶喪失前のことも、全部。



本当に思い出したのか。



琥珀「俺は思い出したけど?
'星'のことも、'ひま'たちのことも、全部。」



星藍「!!」


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