クロ * Full picture of the plan * Ⅳ
ひよも俺と同じく死んでるんじゃないかと疑ったのか、血塗れの子の手首に手を当てた。
「…だいじょうぶ。ちゃんと生きてるよ。」
脈はあったらしく、俺たちは2人揃ってホッと胸をなでおろした。
「ねぇ、うちにつれていっててあてしてあげよう!?
血だらけだし、ひよとおなじくらいだよね?ふくもかしてあげれば…」
だが、生きているのならこのままにはしておけない。
それでも、俺たちは携帯を持ってるわけでもない。
連れて帰ることしか方法はなかった。
「うん。そうしよう
見たところ、この子のおやとかもいなさそうだし…
ひな、この子せおえる?
私はこの子のにもつ、もつから」
「うん。」
ひよも俺と同じ考えを持ったらしく、頷いてくれた。
そして、もたれかかっていた木の裏にその子の荷物が置いてあった。
ひよがその荷物を運んで、俺はその子を背負う。
「!!」
「どうしたの??ひな」
「…かるい。
ってゆーか、俺よりせはたかいのにすっごいガリガリだよこの子」
背負った瞬間、俺は驚いてその子を落としそうになった。
…軽すぎたんだ。体重が。
「…この子がおきたらちゃんと食べさせてあげなきゃね。」
ひよがそう悲しそうに笑ったあとからは、家まで何も話さなかった…