クロ * Full picture of the plan * Ⅳ
「なぁ!いっしょにかえろうよ!!
しーには弟たちがまってるんだろ?しーをまってる人が居るじゃん!!!!ねぇってば!」
「ひな!…ひな、だめだよ。
私たちが生きなきゃ、だめなんだよ。」
俺よりひよの方がしーを連れて帰りたかったくせに。
ひよは駄々をこねる俺に号泣しながら首を横に振り続ける。
「やだっ!しーは親友でしょ!?仲間でしょ!?いっしょに居なきゃいみないじゃん!!!!」
ひよを困らせたいわけじゃなかった。
すーたちに死んで欲しいなんて思わなかった。
それでも、言わずにはいられなかった。
親友だと、大切な仲間だと、そう言ってたのに。
そんな俺たちを簡単に置いていくのか。と、当てようもない怒りをひよにぶつけていた。
ガラッ ガラガラガラッ
「「「!!」」」
「ひな!!早くおりて来て!!くずれる!」
しーにすがりついていた俺以外はみんな少し離れたところにいた。
後ろから俺を呼ぶ声がしたけど、俺は動く気にならなかった。
…もしかしたら、どうせなら死んでもいい。って思ったのかもしれない。
……目の前に瓦礫が落ちてきた時、ああ、死ぬんだな。って。
そう思ったのに。
ーードンッ
「ーーーーーーーーーー。」
「…え、?」
ガッシャーンッ
…俺は、助かった。