クロ * Full picture of the plan * Ⅳ
朝比奈琥珀 side
シーン……
俺の言葉を最後に、全員が黙りこくる。
この店に効いた冷房が沈黙のせいで、どんどんと温度が下がっていっている気がする。
そして誰もが口を噤む中、ガチャッと静かな空間にドアを開ける音が響いた。
その音に全員が反応し、自然とドアに注目する。
陽向「…ん?あれ、なんか話してたんじゃなかったの??」
全員の視線が自分に集まってることに気づいて尚、ひなはそれを避けるようにして俺の隣へと戻ってきた。
琥珀「それはさっき話し終わった。」
陽向「そっか。じゃあ次は何話す?」
先程の話がなかったかのようにひなは振舞う。
それが無理をしているということに気がついたのは、恐らく俺だけだろう。
…いくら故意でないにしても、自分が殺した相手を"過去"に出来るはずが無い。
殺し屋だからこそ学んだその事実を、俺たちは一生抱えていかなければならないのだ。
『なぁ、1ついいか?』
陽向「はい。蓮磨、どうぞ?」
『ずっと気になってたんだけど、秋たちと龍海はなんで倉庫に来たんだ?』
「「「!!」」」
単純な疑問にこっちにいる3人は思い出したかのように反応した。
理由はあるけど、何も言う暇がなかった。ってとこか。
『秋たちは光陰を探しに来たっつってたけど、最近来てなかった向日葵を、なんで倉庫に探しに来たんだ?』
蓮磨にしては的確なところを突いている。
馬鹿なのにこうゆう時は頭が回るんだな。
覚えておこう。
琥珀「…だ、そうだ。説明しろよ?」
陽向「んーと、じゃあまずはアキラさんたちから。よろしく!」