クロ * Full picture of the plan * Ⅳ



大輔さんは俺の頭を撫でて書斎を出ていった。



少しの間呆然として何も出来なかった。



ってか、意味がわからなかった。



なんで俺が知りもしない刹那という人が俺の恩人なのかが。



…当時の俺が幼い頭脳で考えた結果、俺は家を飛び出した。



大輔さんが行くのはさっき電話していた相手、つまり俺の悩みの種である刹那という人物の元だとわかったから。



大輔さんについていけば何かわかるかもしれないと、走って大輔さんを追いかけた。



勿論、家の鍵を閉めるのを忘れずに。



……ハァハァハァーー



「いた!」サッ!



全速力で結構な距離を走った頃、止まっている大輔さんを見つけた。



大輔さんがいたのは、交通量が少ない細い道がいきなり大きくなった行き止まりに近い場所で、明らかに怪しい雰囲気がある倉庫だった。



見つからないように角へと隠れると、声が聞こえてきた。



「刹那。こいつら…」



「総長殺人、幹部共犯、下っ端銃刀法違反。」



言っている内容はわかったが、意味はさっぱりで犯罪だということしかわからなかった。



そして、その刹那は大輔さんに被って俺からは見えなかった。



「知ってるわ!って、そうじゃなくて、」



「貴方、追いかけてた…。」



「なっんで、また知ってんだ!!」



怒ったように、けど呆れたような大輔さんの声が聞こえてくる。



刹那はあくまでも冷酷な声色で、恐らく無表情なんだろうな…ということが想像できた。



「はあ…まあいい。
お前にこいつらは今回何をした?またブルースターか??」



「…オレ、"主"、頼まれた、…。」



…"主"??それに、オレってことは男?


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