クロ * Full picture of the plan * Ⅳ



未だに姿が見えなく、更に姿が気になった俺は角から身体を乗り出し、見ようとした。



…だが、



「何してる。」



「うわっ!!??」ドサッ



乗り出した俺の目の前に、いつの間にか白髪の少年が立っていたため、驚いて後ろに尻餅をついた。



身長は当時の俺と同じくらいで、恐らく歳も同じくらいだった。



「だっ、だれだよおまえ!?」



「…刹那。」



まさか本当に答えるとは思わなくて、その名前を聞いて更に目を見開く俺は、思わず余計なことまで言ってしまう。



「!?だいすけさんといっしょにいたんじゃ!!」



「だいすけ…?
…ああ、……奴、中。」



先程まで刹那がいた倉庫を指さして、その中に大輔さんがいるという。



「っ、なんで…俺に、気づいた……、!!」



実際隠れてたわけで、大輔さんだって気がついていなかった…はず、なのに。



…と、当時の俺は思ったが、今考えれば普通に気配があったからだろう。



「…、……凪。」



「!!なんで、俺のなまえを…っ!」



俺に聞かせる気はなかったのだろうが、ポツリと呟いた刹那に過剰に反応する。



だが、刹那は気になる俺を見ないふりして俺の横を通り過ぎようとした…



ガシッ



「!!!!」バシンッ



「いっ…、」



まだ何も解決していない俺は横を通り過ぎようとした刹那の腕を反射的に掴んだ。



だが、すぐに刹那は俺の手を叩いて振り落とした。



その振り落とされた力が思ったより強く、思わず声が漏れた。



叩かれたその手を擦り、刹那を見ると、刹那は俺を睨みつけていた。



「あ、っ……あの。」



「…なんなんだ」



さっきよりも低いその声は、明らかに怒りを含んでいた。


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