クロ * Full picture of the plan * Ⅳ
西園寺騎士 side
俺を見て目を丸くする星はなかなか珍しく、写メを撮っておきたいと思ったくらいだ。
だが、そんなことをすれば後に面倒なことになるとわかっているため、そんなことはしない。
騎士「ライター、ねぇんだろ?使えよ。」
星藍「あ、あぁ。さんきゅー」
カチッーーボッ
戸惑いがちに受け取ったオイルライターで煙草に火をつけ、吸った。
スゥーッ
フーーッ
煙草の独特なニオイと煙が漂う中、俺は星の真ん前の椅子に座って話し掛けた。
騎士「煙草、やめたんじゃなかったのか?」
1年くらい前に禁煙すると言ってきたばかりなのに、と思いながらも特に気にはしない。
星藍「あー?あぁ、まあやめようとはしてたんだけどなぁ…
っつか、わかってんならライター渡すなって」
騎士「別に向日葵はいねぇし、今日くれぇはいいだろ。」
星藍「、!げほっげほっ
気づいてたのかよ!?」
俺の言葉に咥えていた煙草を思いっきり吸ったためか、げほげほと噎せ、涙目になった目で俺を見た。
っつーかむしろ、
騎士「バレないとでも思ってたのかよ?
星も向日葵も何年の付き合いだと思ってんだっつぅの。嫌でもわかるわ。」
星とはもう10年以上だし、向日葵とだって9年の付き合いだ。
それくらいになれば、嫌でも癖や仕草で大体のことがわかる。
星藍「…あはは、さっすが騎士様々だなぁ。
……騎士はさ、いつ気がついた?
ひまが火を怖がってること。」
さっきのような冗談をいうような声色ではなく、真剣に問いかけられる。