クロ * Full picture of the plan * Ⅳ
星藍「…騎士もあんま遅くまで起きてんじゃねぇぞ?仕事じゃねぇんだから」
ケラケラといつものように笑い、まだ短くない煙草を灰皿に押し付けて立ち上がる。
騎士「言われなくとも徹夜なんてしねぇよ。仕事なら全部終わらせて来たからな」
星藍「ヒュ~
さっすが優秀社長秘書。仕事が早いなぁ」
茶化すようにポンポンと俺の肩を叩く星の手を振り払って、俺も立ち上がる。
騎士「うっせぇ、茶化すな。
終わってんのは今日と明日のだけだし、これから社長の手続きしなきゃなんねぇんだよ。
どうせお前の方だってそうだろ?」
星藍「まあな。でも、俺は若頭でただ組んでるってだけだし、基本的には虹羽組の奴らがやるだけ。
俺は秘書様と違って全然暇なんですよーだ。」
一気に子供っぽくなり、さっきまで煙草を吸っていた奴とは別人だ。
…まあ、元気になったのならいいんだが、
騎士「マジでその喋り方やめろ、聞いてるだけで寒気がするわ。」
星藍「ちょっ!騎士までひっど!!
癖で出んだから仕方ないじゃん。」
昔から俺に対しては口が悪く、俺が年上と言うことすら忘れてんじゃ…とたまに思うくらいだ。
とは言っても、いきなり敬語や違う喋り方になっても気持ち悪ぃだけだけど。
騎士「だったら治せよ。気持ち悪ぃ
っつーか!さっさと行けよ。いつまでいる気だ」
星藍「もう行くよ!!起きれなくなるし!
じゃ、また明日。騎士、おやすみ」
騎士「おう。」
星藍「(ボソッ)…ありがとう。」
俺の横をすれ違う時、耳元でボソッと呟かれ、反射的に後ろを向いたが、星はひらひらと手を振って行ってしまった。
騎士「はぁ…素直じゃねぇ奴。」
ま、それが星らしいけど。