クロ * Full picture of the plan * Ⅳ
満月琳歌 side
琳歌「騎士?」
こーくんに隠しテラスに騎士がいると聞いて来た私は振り返る様子もなく、空を見上げている背中に声をかけた。
騎士「(ビクッ)な、なんだ。琳歌かよ」
琳歌「何?そんなに驚かなくてもいいじゃん。」
騎士「別に驚いてねぇよ!」
私の声に反応して肩をびくつかせた騎士は吃驚した顔で私を見た。
騎士「…つーか、お前がここに来るとか珍しいじゃねぇか。」
柵に寄りかかって私を見る騎士の顔は丁度月の逆光となり、よく見えない。
だから私は騎士の隣に立ち、空を見上げた。
琳歌「…別にいーでしょ?私の家なんだし。ってゆーか、ここ教えたのだって私じゃん!」
騎士「はあ?お前がここ使っていいっつったんだろ??
てか、俺だけじゃなくて琥珀や星も来てたんだけど?」
琳歌「こーくんとか星くんはいいんだよーっだ!」
騎士「おい、不公平だろ。」
…自然といつものように口論に発展し、憎まれ口を叩いてしまう。
別に喧嘩したいわけじゃないのに。
騎士の前だけ子供っぽくなる自分が嫌になる。
騎士「……はぁ。
お前、俺になんか用があったんじゃねぇのか」
悟ったかの様に私の目的を当てた騎士は呆れ顔のまま、くるりと身体を回転させて柵の外を見る。
…なんで騎士にもわかるのかなぁ。
私、割と嘘下手なのかな?
琳歌「…あるけど、、」
騎士「どうせお前も向日葵のことだろ?
話したきゃ好きに話せよ。」
どうせお前も、ということはさっき出てきた星くんやこーくんもひまちゃんの話をしてたのだろうか…