クロ * Full picture of the plan * Ⅳ



琳歌「……私って、ひまちゃんの心友なのかなぁ…、」



柵に寄りかかって俯いて独り言のように呟く。



騎士「は?何言ってんだ、お前。
自分で言ってたじゃねぇかよ」



心底意味がわからないというように私を見ているのが騎士の顔を見なくてもわかる。



…自分でもくだらないと思うよ。



琳歌「だって私、ひまちゃんのこと結局何も知らなかった。
火事のことだって、ひまちゃんが謝りに行ってたことだって、ひまちゃんがあんなに自分を追い詰めてたことだって。

私、心友だって言ってるのに、何も知らなかった。」



騎士「……………。」



何一つ、知ろうとしなかった。



いつか言ってもらえればいいな、くらいでひまちゃんの本当の苦しみを理解してなかった。



琳歌「初めて会った時だって、助けてもらったのに酷いことした。
ひまちゃんは私を守ってくれてるのに、私は何一つひまちゃんに返せてない。」



私たちが初めて会った、今から11年前。



私はひまちゃんに助けられた。



…当時、既に殺し屋をしていた私は一匹狼の月(ルナ)として有名で、個人の殺し屋をしていた。



……あの日、私は初めて仕事に失敗した。



殺そうとしたターゲットが予想外に強くて、逆に殺されそうになった。



だが、その時…



ガシッ



「おい!大丈夫か!?」



年下の少女が私を守るようにして立っていた。



「てっめぇ!何なんだよ!!
餓鬼は引っ込んd…」グサッッ



「!!あなた、なにやっ」



「いいから来い!!」



その少女は私が使っていた落ちたナイフでターゲットの心臓を刺した。



ただの一般人に、プロの殺し屋が助けられ、おまけにターゲットまでとられた。



…本部行きものだ。


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