クロ * Full picture of the plan * Ⅳ
宮本大輔 side
大輔「…あれは今から12年程前の事だ。
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いきなり現れたガキの族潰し。
初めは何かの冗談かと思っていた。
当時既に組織犯罪対策課にいたオレたちが狙いをつけていた暴走族がいつの間にか潰されていた。
そいつらはシャブ(薬)や銃刀法違反で逮捕したが、そいつらの供述には信じ難いことが混じっていた。
「誰がてめぇらを潰した?」
「ひっ…!!
が、ガキだ!!ガキにやられたんだ!!!!」
「あぁん!?ふざけたこと言ってんじゃんねぇぞ!!!!」
「嘘じゃねぇよ!!ほんとにガキがっ!!」
恐怖、怯えが混じる震えた声でガキにやられたと供述する奴ら。
「じゃあなんだぁ?てめぇの骨へし折ったのもガキだっつぅのか??ああ"ん?」
「そ、!そうだって言ってんだろ!!
ガキがっ俺の腕を…っっ!!」
いくら詰め寄っても、怒鳴っても、奴らの供述が変わることはなかった。
だが、オレたちは到底"潰したというガキ"のことなど信じておらず、シャブの幻覚かなんかだろうと思っていた。
…そんな中、オレは刹那と出会った。
深夜に偵察のために回っていた暴走族の倉庫で、かなりの激しい音が鳴り響いていた。
オレは中に入るのは危険と判断し、外の陰から倉庫を見張っていた。
だが、倉庫が静まったのは予想より大幅に早く、出てきたのはたった1人のガキだった。
「…嘘、だろ??マジでガキが…、…っ!!!!!!」
そのガキを見て、先日の奴らの供述が嘘ではないとわかったオレが倉庫を覗こうと歩きだそうとした…
だが、振り向いた目の前に、倉庫から出てきていたガキがいた。