クロ * Full picture of the plan * Ⅳ
宇佐見陸用のグレー、龍舞用のゴールド、宇佐見海用のシルバー、殺蝶用の赤、宇佐見空用の黒。
全て見覚えのある、去年まで俺たちが使っていたスマホだ。
大事そうに再びスマホをポーチに戻した琳に俺も続いてバッグを持って立ち上がった。
そして、ポケットからスマホを取り出し、電話をかける。
pururuーーガチャッ
『もしもし?』
ワンコールもしないで出た電話の相手は、組へと行った中の1人、星だ。
琥珀「星、見つかった。そっちは?」
『嗚呼、あった。何処に集まる??』
電話の向こうの周りから音が聴こえないということは、周りに人はいないのだろうと予想がついた。
…そして、星のいう何処に集まる。というのは、収集したのを見せるために集まる場所のこと。
だが、全員で集まれる広さで外部に情報が洩れない場所なんて限られている。
再びDark Moonに集まらないのは、何かとあの場所では話しづらいからだ。
そこで、俺は思いついた。
琥珀「青星のトレーニング用の家だ。
わかるだろ?」
去年、同盟で集まった時に使った場所。
あそこでなら情報は洩れないし、広さも充分だ。
『了解。こっちは+7だ』
琥珀「OK。こっちは変わらず、じゃあな」ブチッ
お互い確認をとった俺は電話を切ってスマホをしまい、メールを打つ琳に声を掛けた。
琥珀「琳、行くぞ。」
琳歌「え、あ…うん!
青星のトレーニング用だったよね?」
琥珀「あぁ。多分俺たちが一番乗りだ」
琳歌「リョーかいっ!」
びしっと流れで敬礼をした琳は微笑み、俺より先に家を出ていく。
俺は家を出る前にそこにいない人物に向けて一言宣言し、琳を追いかけた。
琥珀「……"ひま、ぜってー助けるから。待ってろ"。」