クロ * Full picture of the plan * Ⅳ
カズは深く溜息をついてから、恐る恐るスマホを取り出し、電話をかけた。
pururururururururu--
1、2、3とコールが続くにつれ、全員が静まる。
ガチャッ--
その音が聞こえた時、全員が一斉に固唾を呑んだ。
和月「ッ…もしもし、?」
恐る恐る、声を掛けた。
『……はい。』
電話から聞こえてきたのは、疲れきったような向日葵の声だった。
和月「…あ、えと、、」
何を言えばいいのか、と声を詰まらせる。
『………だれ、、?』
今度は弱々しく、迷子になった子供の様な声で問い掛けられた。
聞いたことのない向日葵の声の震えに、俺たちは言葉が出なかった。
その中で、一番始めに我に返ったのはスマホの持ち主のカズだった。
和月「…っ、あ。カズ、和月だよ」
そんなカズの声に俺たちも我に返った。
『…かず、き??………あぁ、和月か』
戸惑ったようにカズの名前を呟いた向日葵は、数秒間黙ってから、思い出したかのようにいつも通りに戻った。
『…何か用か?』
和月「あ、えっと…」
比呂斗「倉庫にはこねーのか?」
なんて言ったらいいかと迷うカズの横から、ヒロが向日葵に直球で言った。