クロ * Full picture of the plan * Ⅳ
星藍「……はぁ、。
俺がひまから聞いたのはアメリカで再会して少し経った頃だ。」
大きくため息をつき、懐かしむように話し出した。
星藍「その時会ったひまは初めて会った時とはまるで別人で、明るかった雰囲気なんて一切無く、ただの"人形"のようだった。
そんな中、ひまが大事そうにあの3つのリングを握り締めているのを見掛けた。
その時のひまはただ泣きそうなのを必死で我慢しているように見えた。
…その時、ひまは泣きながら教えてくれた。
"親友から預かったもので、時間(とき)が来たらある人たちに返さなきゃならない"。"届けるまでは、俺は死ねない"って。」
親友…?時間が来たら?ある人たち?
星藍「…俺はそれしか知らない。
あいつは、"親友から預かった"だけだから"ある人たち"に返すまでは死ねない。
だからこそ、あいつはあそこまでリングに必死になった。
…これで答えになったか?」
『…あ、ぁあ、うん。なったような…なってないような…?……、』
雷「その"親友"と"ある人たち"っつーのは誰なんだよ」
まだ混乱しているのか生返事をする翼に対して、雷やここにいる全員は次の話題へと移る。
もう答える気になっているから星は何でも答えてくれるだろう。
……ただし、知っているのなら、だけど。
星藍「…知らねぇよ、俺は、何も。
言ったろ。俺はそれしか知らないって」
…やはり、星は人物を知らない。
けれど多分予想はついている。
紫月「…じゃあ、それは一旦置いて、、俺から1つ聞かせてください。
……星藍たちと来たこの方たちはどちら様ですか?」
だがしかし、あくまでもそれは'予想'であり、'答'ではない。
それを理解した上で紫月は話題を変えた。
そして、それが分かっている俺も紫月の話題に乗っかった。