クロ * Full picture of the plan * Ⅳ



琥珀「お前が"百桃"を護ろうとする理由は1つ。
あいつが"虹羽百桃"である間に、お前は"百桃"に助けられたことがある。その恩返しとして、お前は"百桃"を護ろうとしている。


…違うか?」



こーは無表情のまま、天津千歳をじっと見つめる。



その推理は恐らく図星だ。



だからこそ天津千歳はこーの推理に心底驚いている。



琥珀「お前は"百桃"がひなに何か…いや、暴力でもふるわれていると思ったんじゃないか?」



千歳「っ!!!!」



琥珀「だからお前は"百桃"を護るためにひなを轢き殺そうとした。

……いや、殺そうとはしてねーな。
轢いて、大怪我を負わせるだけで良かったんだ。怪我で動けない間にお前が"百桃"を保護すればいいだけだからな。」



護るため??俺から、"百桃"を?



俺は"百桃"に会ったことすらないのに?



…なのに、"百桃"を保護する??敵であるはずの天津千歳が?何故?



解決するはずのこーの推理は俺に更なる謎を増やす原因となる。



だが、そんな謎は俺だけが思ってるわけではなく、ここにいるほとんど。



いや…こーと張本人である天津千歳以外の全員だろう。



そんなことを理解して発言しているこーは、一つ一つ天津千歳に確かめると共に推理の詳細を話してくれる。



琥珀「あー…悪い。色々言い過ぎた。
とりあえず俺が言った予想、合ってたろ?どっか間違ってた??」



千歳「……恩返しなんかじゃねぇ。百桃に言われたから俺はそうしただけだ。」



琥珀「それ、詳しく話せよ。
俺が思うに、"百桃"は犯罪をしろとまでは言ってねーと思うけど?」



千歳「……それしか方法が無かった。」



どんどんと加速する2人の会話に誰一人として口を挟めないまま話は進んだ。


< 277 / 386 >

この作品をシェア

pagetop