クロ * Full picture of the plan * Ⅳ
琥珀「お前が"百桃"を護ろうとする理由は1つ。
あいつが"虹羽百桃"である間に、お前は"百桃"に助けられたことがある。その恩返しとして、お前は"百桃"を護ろうとしている。
…違うか?」
こーは無表情のまま、天津千歳をじっと見つめる。
その推理は恐らく図星だ。
だからこそ天津千歳はこーの推理に心底驚いている。
琥珀「お前は"百桃"がひなに何か…いや、暴力でもふるわれていると思ったんじゃないか?」
千歳「っ!!!!」
琥珀「だからお前は"百桃"を護るためにひなを轢き殺そうとした。
……いや、殺そうとはしてねーな。
轢いて、大怪我を負わせるだけで良かったんだ。怪我で動けない間にお前が"百桃"を保護すればいいだけだからな。」
護るため??俺から、"百桃"を?
俺は"百桃"に会ったことすらないのに?
…なのに、"百桃"を保護する??敵であるはずの天津千歳が?何故?
解決するはずのこーの推理は俺に更なる謎を増やす原因となる。
だが、そんな謎は俺だけが思ってるわけではなく、ここにいるほとんど。
いや…こーと張本人である天津千歳以外の全員だろう。
そんなことを理解して発言しているこーは、一つ一つ天津千歳に確かめると共に推理の詳細を話してくれる。
琥珀「あー…悪い。色々言い過ぎた。
とりあえず俺が言った予想、合ってたろ?どっか間違ってた??」
千歳「……恩返しなんかじゃねぇ。百桃に言われたから俺はそうしただけだ。」
琥珀「それ、詳しく話せよ。
俺が思うに、"百桃"は犯罪をしろとまでは言ってねーと思うけど?」
千歳「……それしか方法が無かった。」
どんどんと加速する2人の会話に誰一人として口を挟めないまま話は進んだ。