クロ * Full picture of the plan * Ⅳ
和月「…土曜日来るみたいだし、よかったな」
勇起斗「……なんか、様子おかしいような気がしたけど、、。」
比呂斗「疲れてんだろ。
忙しいみたいだし、仕方ないんじゃね?」
輝「………。」
ユキと輝は顎に手を置いて、何か考え込んでいる。
天も心配そうな顔をしていたが、向日葵が忙しいのはわかっているからか、すぐにいつも通りに戻った。
………様子は今までにないくらい変だった。
それは、今まで何があっても俺たちの前で弱気なところを見せなかった向日葵では有り得ないというくらい。
…それでも、俺たちには何も出来ないのか?
殺し屋のことは卒業するまで禁止で、それまで向日葵は1人で4人分の仕事をしなければならない。
1人分でも忙しかった向日葵にとって、それは凄い重労働じゃないか?
俺たちは何も知らない。
助けて貰ったことしかないから。
向日葵が普段何をして、どんな過去をもっているのかなんて…
……でも、最近になってわかったんだ。
俺が無くしている記憶には、俺が覚えている以前の向日葵のことがあるんじゃないか、って。
…それが本当かどうかなんてわからないけれど、ふとそんな気がした。
初めて向日葵に会ったとき、向日葵は俺を、記憶を無くす前の俺を知っている気がしたんだ。
だから俺は向日葵の言うとおりに陽炎へ入った。
何かわかるんじゃないかって。
……だから俺は全てが遅くなる前に、記憶を全て思い出す。
そう、決めたんだ。