クロ * Full picture of the plan * Ⅳ
……そして僕が目覚めたのは初めに居た、あの白い密室だった。
再び、手、足、首には枷が付けられ、違うのは僕の服が"真っ白いワンピース"に変わっているということ。
そして、冷たいコンクリートの床に"一冊のノートと一本の鉛筆"が置いてあるということだけ。
硬く寝心地の悪いベッドを降り、ぺたぺたと裸足で冷たい床を歩く。
少しフラフラしたが何処かが痛いわけでもないから気にせず、ノートと鉛筆の前で座り込こんだ。
試しにノートを1ページ捲ってみると、そこにはびっしりと見たことのない簡単な問題が並んでいた。
ボスの意図が分からず、ぽかんとただ問題を眺めていると…
ギギィィーー
初めと同じ様に白い密室のドアが開いた。
ボスかな?と思い、ドアに視線を向けると入って来たのはやはり予想通りだった。
「目覚めたな。」
「……ボス、、これは…な、にが、したいの?」
変わらず無表情のボスを敵意剥き出しで睨みつける。
当然子供の僕になんか怯む様子もなく、寧ろ嬉しそうに笑って答えた。
「クククククッ
なぁ、クロ。何故お前は"それ"を置いたのが俺だとわかった?」
「…え、っ?」
ボスの言う"それ"は、ノートと鉛筆のことだということはすぐにわかった。
でも、ボスに言われるまで"自然"と思っていたことが、"不自然"だということにやっと気がついた。
「ぇ、え、、?な…なんで、??」
それを理解しても何故"自然"にそう考えたのか、なんて混乱する頭では考えつかない。
「おいクロ。それ、解いてみろよ」
「えっ?こ、こんなの…むりにきまって、っ」
「いいから、1問でも解いてみろ。」
黒い笑みを浮かべるボスに急かされ、混乱したままの状態の頭で問題と向き合った。
でも‥‥
「…ッ!!う、そ……っ!!な、、で…」
「クククッ
解るだろ?クロ。それ全部が」
「なんでっ、なんでっっ!?」
見たこともないはずのその問題が、
……全て、簡単に答えが浮かんできた。