クロ * Full picture of the plan * Ⅳ
確かに元々普通の人より高いIQはあった。
現役高校生以上の問題もきっと解けた。
…でも、この問題は高校生程度なんかじゃない。
普通の大学生レベルでもなく、海外の大学生レベルくらいだと思う。
なんでそんな問題が解けるのか。
そんなの、僕に分かるはずがない。
「これは海外の一流大学レベルのものだ。今のお前なら大体IQ260くらいだな」
冷静に僕に向けて放つボスの言葉は理解したくても出来なかった。
だって、たった4歳の僕が、海外の一流大学レベルの問題が簡単に解け、IQが260くらいだなんて。
"ありえない"
「なんで‥‥なんで、っこんなことに…ッッ」
「忘れたのか?
お前は Cavia №96 だということを。」
「"Cavia"……っ、モ、"モルモット"…っ!?
なんの、、じっけんをしようとしてるのっ!
ぼくにっ!!なにをするきなのッッ!?」
一流大学レベルの問題が簡単に解けたのも、一気にIQ260に上がったのも、
全部全部、"実験"のせい。
「…クククッ
いいだろう。'特別'に教えてやろう
この研究は、
"完璧なものを造る"研究だ。」
「かんぺきな、もの‥‥?つくる??」
「そうだ。お前は選ばれたんだ。
完璧なものに"造り換える人材"に、な。」
"完璧"なんて存在しないから、ボスはそれを"造る"んだ。
"僕"という"人材"で。
「クロ。お前は今いるCaviaの中でも一番優秀だ。昨日の研究に10時間も耐えられたんだからな」
'昨日'……もう1日経ったんだ…。
僕、10時間も耐えたんだ……。
そんなくだらないことを考えている間にも、ボスはどんどんと説明してくれる。
「他のものは使い物にならない。
1時間すら耐えられないものもあるし、暴れる時間が長すぎる。
クロ以外は全部"不良品"だ。」
…もう、人間扱いすらしていない。
この人にとって僕たち被験者は"実験の道具"にすぎないんだ。
あれだけの薬を、注射を、被験者の体内に入れといて、使い物にならなくなったら"処分"する。
つまりはそうゆうことなんだ。