クロ * Full picture of the plan * Ⅳ



確かに元々普通の人より高いIQはあった。



現役高校生以上の問題もきっと解けた。



…でも、この問題は高校生程度なんかじゃない。



普通の大学生レベルでもなく、海外の大学生レベルくらいだと思う。



なんでそんな問題が解けるのか。



そんなの、僕に分かるはずがない。



「これは海外の一流大学レベルのものだ。今のお前なら大体IQ260くらいだな」



冷静に僕に向けて放つボスの言葉は理解したくても出来なかった。



だって、たった4歳の僕が、海外の一流大学レベルの問題が簡単に解け、IQが260くらいだなんて。



"ありえない"



「なんで‥‥なんで、っこんなことに…ッッ」



「忘れたのか?
お前は Cavia №96 だということを。」



「"Cavia"……っ、モ、"モルモット"…っ!?
なんの、、じっけんをしようとしてるのっ!

ぼくにっ!!なにをするきなのッッ!?」



一流大学レベルの問題が簡単に解けたのも、一気にIQ260に上がったのも、



全部全部、"実験"のせい。



「…クククッ
いいだろう。'特別'に教えてやろう




この研究は、

"完璧なものを造る"研究だ。」



「かんぺきな、もの‥‥?つくる??」



「そうだ。お前は選ばれたんだ。


完璧なものに"造り換える人材"に、な。」



"完璧"なんて存在しないから、ボスはそれを"造る"んだ。



"僕"という"人材"で。



「クロ。お前は今いるCaviaの中でも一番優秀だ。昨日の研究に10時間も耐えられたんだからな」



'昨日'……もう1日経ったんだ…。



僕、10時間も耐えたんだ……。



そんなくだらないことを考えている間にも、ボスはどんどんと説明してくれる。



「他のものは使い物にならない。
1時間すら耐えられないものもあるし、暴れる時間が長すぎる。

クロ以外は全部"不良品"だ。」



…もう、人間扱いすらしていない。



この人にとって僕たち被験者は"実験の道具"にすぎないんだ。



あれだけの薬を、注射を、被験者の体内に入れといて、使い物にならなくなったら"処分"する。



つまりはそうゆうことなんだ。


< 298 / 386 >

この作品をシェア

pagetop