クロ * Full picture of the plan * Ⅳ
「なぁ、ひま。俺はお前のために何をすればいい?何が出来る?」
都合よく記憶を失くし、唯一記憶を失くしてなかったひまに迷惑を掛けまくった。
だから、俺に出来ることならひまを救ってやりたい。そう思った。
「……っ、こーちゃん…ッ、、ごめんなさい」
けれどもひまは泣きながら謝ってばかりで、俺の質問には答えてくれなかった。
「…ひま、なんでお前が謝るんだ?
謝るなら俺の方だろ。」
ずっと、1年間ひまに迷惑を掛けていたんだから。
「(フルフル)ちがっ‥‥…違うの…っ。」
「違う、って何が?」
首を必死で横に振るひまに、わけが分からず俺は首を傾げ、聞き返す。
「…だめ、なの、っ!
このこと、はなしたら…ボスにッ……!!」
「ボス?何かされるのか??」
見えない何かに脅えるように身体を震わせるひまになるべく優しめに聞く。
「……っ、記憶っ消されるのっっ…!」
「!!
記憶を、消す?」
「ごめ、なさっ………、僕のせいでっまた…!」
「ちょ、ちょっと待て。少し整理するから一旦落ち着け。な?」
泣いて理由を言うひまよりも、俺の頭が混乱しだし、取り敢えずひまを落ち着かせる。
…記憶を、消す?そんなことが出来るのか??
‥‥‥‥いや、ひまの言う"ボス"なら出来る可能性が高いな。
なんせひまの中身も外見も変えた人物だからな
「…ひま。今お前が話したことは誰にも話したことが無いんだな?」
「…っ(コクッ)」
「……分かった。
ひま、お前が話したことでボスは"俺だけ"の記憶を消すんだな?」
「…(コクンッ)」
「……もうすぐ、此処にボスが来るのか?」
「、!う、ん……っ」
ごめんなさい。僕が話したりしなければ…と俯きながら謝り続けるひまを止め、顔を上げさせる。