クロ * Full picture of the plan * Ⅳ



葵絆「うわっ、!?なんだ??
こんな時間まで何してんだ、お前ら」



入ってきた葵絆は駆け寄った俺たちを見て目を丸くした。



けど、すぐに俺たちの気持ちに気づいたのか、いつもみたいに笑って俺の肩に手を置いた。



葵絆「遅くなって悪かったな、
ただいま。雷、飛鳥、京。」



雷「!…っおっせーんだよバカ!!」



「「「おかえり葵絆。」」」



葵絆「うん。
ってか、丁度いいや。話がある」



いつもの緩い空気の中、葵絆は真剣な表情をした。



けど、不思議と悪い予感はしなかった。



葵絆「…あれ、?……あ、こっちだよ。」



京「??葵絆?誰かいんの?」



葵絆は完全に中には入らず、後ろにいる"誰か"を呼んでいた。



ーーバンッ



ソファーに座ろうとしていた俺は扉に近づき、半開きだった扉を勢いよく全開に開いた。



?「‥‥」



雷「!!ぇ…、…?」



…そこにいたのは4、5歳程度の"子供"だった。



その"子供"は、夜中にすればかなりの音を立てたのに泣き出すこともしなければ、驚くことすらしなかった。



…まるで、"感情が無い"かのように。



飛鳥「‥‥き、葵絆??誰だよ、その子供……」



見たことのないその"子供"を見て固まった俺を横目に飛鳥が葵絆に聞いた。



葵絆「さぁ?俺にもさっぱり。」



「「「はあ!?」」」



笑顔で首を傾げる葵絆は嘘をついているようには思えない。



葵絆は本当に何も知らないらしい。



それでも葵絆は笑顔を崩さず、"子供"を手招きしてソファーに座らせた。



葵絆「とりあえず話すから座ってくれ」



まだ理解出来ていない俺たちも葵絆と"子供"の正面に座らせ、事情を話し始めた。


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