クロ * Full picture of the plan * Ⅳ



表の姫である希輝にも伝えず、ここにいる俺たちだけの秘密。



希輝が来ない日に幹部室で俺たちと居ればいい。



京「……それいいな!
俺たちだけの姫なら敵に狙われることもないし、普通の姫より安全だ。」



葵絆「でも!…お前らわかってんのか?
"裏姫"をつくるってことは、みんなに"隠し事"を…"嘘"をつくってことなんだぞ!!」



賛成をした京に対し、反対する葵絆はいい顔をしない。



でも、葵絆の言うことが正しいのは確かだ。



ただでさえ今まで家族みたいにつるんできた奴らに隠し事をする。



それは、年齢問わず仲のいい仲間に嘘をつき続けるということ。



嘘や隠し事をしたことがない俺にとっても、それはかなりキツイことだ。



でも……



雷「じゃあ他になんかあんのかよ?
所詮ガキの俺たちにはそんな些細なことでしか百桃を守れないだろ!」



葵絆「それは…っ」



仕事や家庭のあるタツさん、志、メグ、そして所詮高校生という立場の俺たちにはたった1人の子供のために大規模なことは出来ない。



大規模なことじゃなくても、たった1人のために大人数、そして自由に動くことさえもできない。



…だから、それをふまえても俺たちには選択肢がないんだ。



辰巳「……俺はお前らなら百桃を救えると思うから雷の考えには賛成だ。
でも、お前たちが無理をする必要はない
俺にとってはここ(青星)も大事だからな。」



志「俺は賛成だよ。
組があるし、俺はあんまここには来れないけど、お前らなら大丈夫だろ?」



円「俺も賛成。
トモや姫星のためにもあの子は子供らしく元気でいるべきだろ」



仲間を大切に想ってるからこそ渋る葵絆を畳み掛けるようにタツさんたちが素直な意見を言っていく。



葵絆以外全員が俺の意見、百桃が"裏姫"になることに賛成。



雷「……葵絆、」



葵絆「わかった。」



顔を歪めたまま黙る葵絆に声をかけると、葵絆は顔を上げて俺に真剣な目を向けた。



葵絆「ただし、"嘘"をつくなら必ずつき続けること。中途半端にバレるようなことにだけは絶対ならないように!いいな?」



「「「りょーかい、総長!」」」



辰巳「よし。じゃあ俺が説得して、キィが来てない日にここに連れてくる。
覚悟しとけよ?」



葵絆が条件付きで賛成したことにより全てがまとまり、今日のところは解散となった。


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