クロ * Full picture of the plan * Ⅳ
下「そんなの!"仲間"なのに…っ」
葵絆「だからこそ、、"仲間"だからこそ巻き込むわけにはいかなかった…っ!
俺たちは…ここ(青星)は組織なんだ!!
いつ危険な目に遭うかも、どんな危険があるのかも、何一つわかってないまま"私情"を伝えるわけにはいかなかった!!」
葵絆は、俺たちは、青星という組織の上に立ってる人間として、大勢の仲間を巻き込むことは出来ない。
ただでさえ、本人さえも何もわかっていないのに。
どう対処するのかもわからないままの状態で下っ端に伝えたところで何が出来る?
だったらせめて何か対処出来ることを見つけてからの方がいい。
そう、全てのことを考えた結果が俺たち"だけ"の裏姫だった。
葵絆「…これから何が起こるのか、俺たちにはもちろんのこと、百桃にさえもわからない。
今だったら引き返せる。
青星を辞めろ。」
「「「「「!!!!」」」」」
今まで辞めようとした仲間を引き留めてきた葵絆が、自分から辞めろと言った。
…百桃を"認める"というのはそれだけの覚悟が必要だと、葵絆は言っている。
幹部の俺たちは辞めることが出来ない。
俺たちの不注意でバレたんだ。
もし、この5人が青星を辞めることを選んだとしても俺たちは責めない。
いきなり他人に"命を懸けろ"と言っているようなものなのだから。
…でもきっと、この時俺たちはわかってたんだ。
楓「……ふざけないでください。
これだから葵絆たちはバカなんですよ!
あんな小さい子が苦しんでるのに、なんで僕たちが逃げなきゃいけないんですか!?」
葵絆「………楓…、」
カエが…こいつらがそう言ってくれることを。
下「…ほんとバッカだなぁお前ら。
隠し事下手なくせに俺たちに隠してさぁ」
下「そうだそうだ!ほんとにバカだな。
俺たちは"仲間"なんだろ??」
楓「本当の"仲間"なら、痛みも苦しみも分け合うものでしょう?」
下「大体なぁ、ここに入った時点で危険なことは沢山あるだろ?」
下「そーそー!もうどんな危険にも立ち向かってやる!!って勢いだってーの!!」
5人全員が何も言えない俺たちに笑顔を向けた。
楓「……ってことです。
僕たちは覚悟出来てるんで、辞めません。
ついでに言っておくと、僕がイラついてるのはそんな大事なことを幹部だけで隠してたことなんで、全部話してください。
もし誰かに口止めされてるなら、僕たちが無理矢理口を割らせた。ってことで。
きっちり全てを話してもらいます。」