クロ * Full picture of the plan * Ⅳ
??「クククククッ
他にかかってくる奴はいないのか?」
痛がる雷や足がすくんで動けない俺たちを見て妖しく笑う"彼"は俺たちをわかりやすく挑発する。
…その挑発に乗っちゃいけないことくらい、ここにいる誰もがわかっていた。
それでも、仲間が傷つけられて黙ってはいられない。
全員が殺気立って"彼"を睨みつけた。
…次に動き出したのは、飛鳥だった。
ダダッ
百桃「っあーちゃん!だめっっ!!」
シュッ パシッ -ガンッッ
飛鳥「っっっ!!がほっげほっ」
京「飛鳥っ!!!!」
飛鳥が走り出したと同時に今まで震えて俯いていた百桃が飛鳥を止めた。
だが、飛鳥はその叫び声に反応することなく"彼"に殴りかかった。
……しかしその拳が"彼"に当たることはなかった。
雷よりも重い蹴りでやり返され、飛鳥は雷と同じ方向へ飛ばされた。
飛鳥「……っ………ぅ…」
反射的に飛鳥に駆け寄ったが、飛鳥はさっきの雷と同じように腹を抱えて唸っている。
恐らく痛みで俺の声さえも聞こえていないのだろう。
未だに壁に寄りかかって脂汗をかいて立ち上がれない雷、ぐったりしながら唸り続ける飛鳥。
…そんな2人を見て、俺の中の何かが切れた気がした。
飛鳥「っ……きょ、……ー?」
飛鳥のすぐそばで座り込んでいた俺の様子が変わったのに気づいたのか、飛鳥が苦痛に耐えながら俺の名を呼ぶ。
それでも俺はそれに返事はせず、ゆらりと立ち上がった。
俺の代わりに百桃を背に隠している楓たちも、俺たちの先頭にいる葵絆も、"彼"を睨み続けていて俺には気づいていない。
…さっきまで遊んでいたのが嘘のように静まり返っている倉庫に響かないように俺は足音一つ立てずに歩き出す。
自分に向かってきているのがわかっていながらも余裕がある"彼"へ向かって。
…"彼"まであと2メートルをきった頃、視界に入ってきた俺に気づいたのか、驚いた顔をしながら俺の腕を掴んだ。
葵絆「京っ!」ガシッ
ぐいっと葵絆の方へ引っ張られ、何してんだよ!と怒鳴られる。
だが、俺には葵絆の言葉に答える余裕さえもなかった。
……ただ、雷と飛鳥を傷つけた"彼"を殴らなければ、という想いで頭がいっぱいだった。