クロ * Full picture of the plan * Ⅳ
雷「お前、」
百桃「ごめんなさいっ……!」
「「「は、?」」」
雷が怒りを鎮め、百桃に話しかけようとすると、百桃が突然謝り出した。
百桃「ぼくの、っせいで……!!」
頭をがばっと下げ、そう続ける。
そこで、やっと百桃が言っている意味がわかった。
百桃は、葵絆が自分を庇ったから、謝ってるのだということに。
雷「なんで、、謝んだよ……」
百桃「‥‥ごめ、なさい…っ」
雷「だからっ!なんで謝んだよ!!
お前のせいなのかよ!!?
なぁ!百桃!」
あれは、百桃のせいじゃない。
そんなの、知ってる。そんなの、、わかってる。
…なのに、なんで百桃が謝る必要がある?
百桃を庇ったのは葵絆の意思であり、百桃のせいじゃない。
昏睡状態になったのだって、撃たれたことだけが原因がどうかなんてわかっていない。
…それなのに、何故、百桃が謝るんだ。
だってあれは"彼"のせいで、百桃のせいじゃない。
謝る必要なんて……ない、のに。
…知ってた、よ。
百桃が、こいつが、何も悪いことをしてなくたって、全て自分のせいにすることなんて。
…たった一年だけど、何度もあったから。
だから…だからこそ、今日、この言葉は許せなかった。
京「じゃあ!
あの男が言ってたのはホントなのか!?
百桃!答えろよ!!!!」
いくらあいつが百桃の知り合いだとしても、葵絆を撃ったのはあいつの意思だ。と
あの日の全てを、百桃のせいにしようとしたあいつが悪いのだ。と
そう、百桃に肯定して欲しかった。
あいつは、百桃のどういう知り合いなのか。
あいつは、何故百桃を殺そうとしたのか。
…百桃は何故、あいつに酷く怯えていたのか。
ただ、俺たちは知りたかっただけだったのに。
…何故、何も悪くない百桃を責めるような口調で言ったのだろう。
イライラしていたから。焦っていたから。どうしても知りたかったから。
……そんなの、何の言い訳にもならない。
俺たちに責めるつもりはなかった。
けど、冷静に、客観的に聞いていれば、明らかに俺たちが百桃を責めているように聞こえただろう。
実際、百桃にもそう聞こえたはずだ。
その証拠に、百桃は……
百桃「ごめんなさいっっ!」
さっきから、謝ることしかしていない。