クロ * Full picture of the plan * Ⅳ



これは推測なんて曖昧なものじゃない。



紛れもない、"事実"。



雷「……都兎が…消えた?、何の為に?」



希輝「それは、」



琥珀「そんなの言うまでもねーだろ



"妹を殺さないため"だ。」



…え、?



何を言っているの…?



希輝「なによ、それ……。違うでしょ??
私が"思い出した"からでしょ!?
だから、私がいらなくなったから…!」



琥珀「…ばっかじゃねーの?頭使って考えろよ
てめーが思い出して、その上必要なくなった。そんなら、いらないやつをどうするかなんて一択だろ。」



輝「……確実に'殺す'、よね」



「「「「「っっ!!!!」」」」」



'殺す'…?



そんな…だって、"お兄ちゃん"はそんな……



琥珀「'お兄ちゃんは殺し屋の琥珀たちと違って、そんな物騒なこと考えるはずがない'?」



希輝「っ、!」



…だって、だって、、私の知ってる"お兄ちゃん"はっ!



琥珀「…ああ、そうだろうよ。'普通'は、'一般'的な考え方なら、そんなことは考えねーよ。

だが、てめーは知ってるだろ?
"虹羽都兎"の'狂気的'な姿を。その目でみて、その耳できいて、知っているだろ?"虹羽百桃"がいた時に。」



……もう、何も言えない。



だって私は、全て見てきた。



"お兄ちゃん"がおかしくなっていくのも、



"お兄ちゃん"がおかしくなったところも、



"お兄ちゃん"が百桃を"殺そう"としたところも、



私は、私だけは、その場で、みていたんだから。



京「…それで、なんで希輝を"殺さないため"なんだ?
都兎はそういう考えを持っていてもおかしくなかったんだろ。それなら尚更、なぜ希輝を生かす?」



陽向「それが"虹羽都兎"にとって、虹羽都兎でいるための'最後の引金'だから、だろ?」



'最後の引金'…?私を殺さないことが??



琥珀「…ああ。
……といっても、俺の推測でしかねーけどな。


恐らく、虹羽都兎にとって人生での引金はいくつかあった。
まず、血の繋がった双子の兄になったこと。
また同時に、血の繋がらない妹の兄になったこと。
更に、血の繋がらない妹のせいで血の繋がった本当の家族が死んだこと。
そして、その血の繋がらない妹を邪険に扱ったこと。

大きくわけて今までで4つはあったと俺は思う。

そして最後。
唯一遺された血の繋がった妹を"殺す"こと。
その引金を引いた瞬間から、虹羽都兎という人間は消える」


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