クロ * Full picture of the plan * Ⅳ
陽向「虹羽都兎は"妹"がなによりも大切なもののはずだよ。それこそ、自分の命よりも、ね。」
琥珀「そう。だからこそ、"虹羽都兎"は踏みとどまり、姿を消した。"妹"を殺した暁には、完全に堕ちることが本能的にわかっているから。」
…なんで、?どうしてそこまで私の事を…!!
雷「お、おい。じゃあ都兎は希輝といると殺しちまうかもしれないからいなくなったっていうのか?」
琥珀「ああ。それが一番都合がよかったんだろ。
こいつが"思い出した"ことがバレたら、消さなきゃならなくなる。それならいっそ、関わんなきゃいい、ってな。」
そんな…私はそんなこと望んでいないのに!
私にとってお兄ちゃんだって、唯一の家族で、大切なものなのに!
…お兄ちゃん……どこにいるの…!
紫月「…バレる?誰にバレたらマズいんですか?」
神楽「それに今、都兎さんはどこに?」
陽向「……なぁこー。もしかして、だけどさぁ」
陽向は言いづらそうに琥珀に引きつった笑みをむける。
…なによ、?まだ何かあるっていうの?
琥珀「…ああもうこの際ハッキリ言ってやるよ
"虹羽都兎"は"ボス"のあやつり人形で狂わされたんだ。今もそいつのところにいるだろう。
は?も、え?も、もういい。事実だけ言ってやる。
"虹羽都兎"は昔から…いや、15年前の家族の事件から"ボス"と関わりがある。」
琥珀は呆れたような、諦めたような口ぶりで冷ややかな目をしていた。
…………は、?
お兄ちゃんが"ボス"と?
希輝「っふざけたこと言わないで!
どこにそんな証拠があるっていうの!?」
反射的に言い返したが、そんな私をも予想していたかのように鋭い目で睨み付ける。
琥珀「証拠、は、ねーよ。物的なものはな。
だが俺は確信している。"虹羽都兎"と"ボス"は繋がってることを。理由は言わねー。
だから、信じられねーなら信じなくていいし、闇雲にでも探せばいい。自分の目で確かめろ」
飛鳥「…琥珀、それは投げやりにもほどがないか?
俺たちはお前の意見を否定するほどのことを知らないし、かと言って肯定できるほど都兎を信用してないわけでもない。
その答は決めかねるよ」
…闇雲に探したところできっとお兄ちゃんは見つからない。
だからといって、お兄ちゃんが"ボス"に繋がっているはずがない!
……私は、どうするのが正解なの…?