クロ * Full picture of the plan * Ⅳ
__________________________
『ひま!』
『……、こーちゃん??』
場面は変わり、恐らく翌年だろう夏の夜。
真っ白い長袖のワンピースを着ている金髪で肩より下が赤髪の少女、"向日葵"は街灯の少ない公園のベンチに座っていた。
傍から見ればかなり異様な光景だろう。
夏に長袖、夜にまだ小さい子供、少女に異質な雰囲気を漂わせる空気。
何もかもが異質だった。
そして、そんな少女に声をかけた赤髪の少年、"琥珀"。
ごく普通の小学生、不可解なことは夜ということだけだろう。
『ひま!お前、こんな時間に何してんだよっ!?』
ただでさえ人通りの少なく、夜なんて真っ暗だというのに、顔色一つ変えない少女を見て、不審に思ったのだろう。
少年はその少女に見覚えがあり、慌てて声をかけた。
『…そうゆうこーちゃんは、?』
『俺はっ…ただの散歩だよ…ッ!』
あからさまに目を逸らした少年は、どう見ても散歩ではないだろう。
それに、少女も気がついたが敢えて何も言わない。
『…っつーか!お前は何してんだよ!!
しかも、こんなところで!!
ひまんちは真反対だろっ!?』
少女の家はこの公園からは真反対、それなのに何故?と、怒りを露にする少年。
それもそうだろう。
少女は、ただでさえ世間でいう美少女で、幼さは残るものの顔も整っていて、日本人離れした金髪で肩より下の赤色の髪、珍しい左が赤黒で右が銀のオッドアイ。