クロ * Full picture of the plan * Ⅳ
『……ただの"痣"。
気にすることは無いし、すぐ治る』
特に気にすることはなく、淡々と他人事のように話す。
『……、』
少女が話す気が無いのがわかったのか、少年は顔を顰めたまま、携帯のライトを足元から外し、少女の隣に座った。
『『………。』』
少年少女は、何も話すことなく、沈黙が続く。
少女はぼーっと綺麗な星の空を見上げ、口を開いた
『…月が、綺麗だね』
真ん丸の月を見て、ポツリと呟いた。
『………。』
俯いていた少年も、少女の言葉に顔を上げ、月を見上げた。
『…俺、明日父さんと母さんとパーティーに行くんだ。
なんか、父さんの知り合いの人が招待してくれたらしくてさ
〇〇ホテルってゆーんだけど、知ってる?』
見上げていた顔を少女の方へと向け、問いかけた。
少女は、軽くコクリと頷いた。
少年は少女のその様子を見て、苦笑いしながら言葉を続けた。
『…正直言ってさ、大人って好きじゃないんだ。
なんでも偽って、子供だからって俺たちには秘密事をする大人たち
だから本当はパーティーなんか行きたくない。』
『……。』
『…でも、滅多に休みがない父さんたちが、仕事なしで一緒に居れるなんて数年ぶりだから』