クロ * Full picture of the plan * Ⅳ
俺らを、命よりも大切な存在だと思ってくれているのは嬉しい。
だけどそれじゃあ、いつか必ず人を庇って命を落とす。
向日葵にとってはどうでもいいかもしれない。
だが、少なくとも俺にとってはどうでもいい存在じゃないんだ。
向日葵「………ねぇ、お願いきいて…、?」
今度はどんなことを言うのか。と心構えしていると、向日葵は顔を上げて、上目遣いで俺をみた。
琥珀「……どんな?」
向日葵の"お願い"なんて、初めてだ。
向日葵「……僕を、抱いてください。」
……………。
静まっている部屋に、向日葵の弱々しい言葉が消えた。
琥珀「…なに、いってんだよ……、?」
衝撃的な向日葵の言葉は、空耳だと思いたかった。
向日葵「…………僕を、抱いて…、、??」
じーっと俺を見上げる瞳は、冗談を言っているようには見えなかった。
…それじゃあ、本気で言ってんのかよ、??
琥珀「……なんで俺に…、?」
2度も聞いたら、嘘だとはまるで思えず、動揺で震える声を抑えながら聞き返す。
向日葵「…琥珀がいい。」
琥珀「っ…!!
抱いて欲しいなら、星藍に頼めばいいだろッ…!?」
星藍は、お前の彼氏なんだから!
2人きりの部屋に、俺の大声が響き渡る。
頭の隅で、防音でよかった。とまたくだらない事を思う。