クロ * Full picture of the plan * Ⅳ
向日葵 side
zzz……
隣にいる琥珀が眠ったのを確認し、琥珀の腕の中から出た。
床に散乱している服をかき集め、服を着る。
…ああいえば、琥珀は断れないと言う事をよく知っていた。
……最低な女だよね。
普段よりも幼く見える寝顔を見ながら、サラサラの綺麗な赤髪を撫でる。
昔から寝癖が付きやすい髪質で、折角のサラサラの髪がぴょんぴょんと跳ねていた。
生まれ持った日本に珍しい赤髪で、本人は気に入っているのか、自慢げに話していたこともあった。
向日葵「懐かしい…、」
当時の光景を思い出し、クスリと1人で笑う。
スーッ
向日葵「…いつからこんなに歯車が狂ったんだろう」
琥珀の髪に指を通しながら、1人で静かに呟く。
向日葵「…………貴方と会ったのがいけなかったのかな…、??」
誰も聞いていない、この空間で、ポツリポツリ眠っている琥珀へ話している。
向日葵「……ねぇ、いつになったらもう一度"ひま"と呼んでくれるの…??
ねえ、、"こーちゃん"。」
もう10年経つよ?
向日葵「ずっと待ってた。
もう一度だけ、"僕"を呼んでくれるのを」
ねぇ、もう待てないよ。