クロ * Full picture of the plan * Ⅳ
藤井伊織 side
ザワザワと騒がしい下の声が遠くに聞こえ、思わず頭を横に振って覚醒させる。
神楽「ふわぁ……」
目の前のソファーに座って、眠そうに目を擦る神楽は大きく欠伸をした。
…恐らく、昨夜も凪と話をしていたのだろう。
その証拠に凪も顔には出さないが、少しうとうとしている。
ガチャッ
そんな幹部たちを観察していると、ノック無しに幹部室のドアが開けられた。
陽向「…あ!おはよ、琥珀!!」
琥珀「あー、陽向のせいで疲れたわ。」
陽向「えー?俺のせい??
それぐらいで疲れるとか、運動不足なんじゃね?(笑)」
琥珀「お前なぁ…」
来て早々、陽向に文句を言う琥珀に、陽向は何の悪気なく、笑いながら言い返す。
それはもう、俺たちが口を挟むことが出来ないくらい。
あー、暇だ。
俺たち幹部は先代を迎えるだけしか仕事がないから、せめて下の邪魔をしないよう、起きてからずっと幹部室に籠っている。
総長椅子に座ってる彼方は俺が貸したマンガを読んでいて、俺の一個開けて隣のソファーに座っている凪は何度も欠伸をしながら本を読んでいる。
目の前のソファーで寛いでいる神楽はスマホでゲームをやってるらしい。
凪の目の前のソファーに座っている紫月は何だか難しそうな本と睨めっこしながらPCを叩いている。
そして、陽向は琥珀とのやりとりを終え、再びマンガを読み始めた。
琥珀はいつも通りスマホを弄ってる。