クロ * Full picture of the plan * Ⅳ
伊織「ボスっ…!?」
声を抑えた俺の声は誰にも聞こえなかったはずだ。
それでも、言わずにはいられなかった。
ごく最近まで、俺を脅していた人物なのだから。
…そして、俺が"ボス"から目が離せない間にも、俺の他にもう一人、"ボス"をじっとみて呟いた人物がいた。
紫月「…父さん……、?」
伊織「えっ、?」
後ろから聞こえた紫月の呟きに、俺は思わず反応してしまった。
…"ボス"が紫月の父親…、、??
嘘だろ?
混乱しだした俺の頭の疑問を答えてくれる人物はいない。
ボス「クロ、時間だ。早くしろ」
相変わらずの命令口調は変わらないらしい。
向日葵にそんな指示ができるのも多分"ボス"だけだ。
……それにしても、何故"ボス"は向日葵のことを"クロ"と呼んでいるんだ、?
それも人格の1人なのか、、?
いや、それはない。
向日葵自身が人格は5人だと言っている。
再び増えた疑問は、答を知らない。
答を知るのは向日葵と"ボス"のみだ。
向日葵?「(ニコリ)って、ことで時間がないから帰るね。」
あと数段の距離が、向日葵が背を向けて降りていくことでどんどんと開いた。
円「っ、百桃!!」
扉まであと少しのところで向日葵を引き止めたのは、円さんだった。