クロ * Full picture of the plan * Ⅳ
まぁ、実際知っていたわけだけども。
春暁「…どうゆうことだ?蝶。」
…あぁ、なんか久々に呼ばれた気がする。
前までは毎日のように呼ばれてたのに。
琥珀「……あとで説明しますよ。
(ボソッ)全員が揃ってから、ね。」
「「………。」」
もったいぶるような言い方をしたからか、疑惑の目で俺を見ているが、ボソッと言ったのは聞こえなかったらしい。
…まあ、その方が助かるが。
琥珀「それより、ワイヤー切るの手伝って貰えますか?
今は人手が欲しいんで。」
ひなにさっき持ってきてもらったカッターや鋏を受け取り、2人にも渡す。
なんせ、族の中では少ないとはいえ何百といる下っ端全員のワイヤーを数人で切るのは骨が折れるからな。
有無を言わせず、俺はさっさとワイヤーを切るのに向かう。
…………。
ブチッブチッとワイヤーを切る音が様々なところから聞こえ、その度に解放されていく。
…それを繰り返し、やっと全員分が終わったのは、ひまが出ていってから既に1時間近く過ぎた頃だった。