二重人格少年
第一章
入学したのは元男子校
「ちょっと止めなさい!千晴!」
「…止めないでお母さん、私は行かなきゃいけないの……」
「でもあんたフラフラじゃない」
「それでも、行くったら行くの!!」
高校受験の朝。
私は出来もしない勉強を一生懸命やり過ぎて、無理がたたり風を引いた…。
40度…普通なら立ってるのもフラフラな状態なんだけど、私にはどうしてもこの志望校は譲れなかった。
だって、この受験に落ちたら元男子校へ入学しなきゃいけないから!!
男嫌いな私にとってはそれは地獄そのもので、しかも今年から共学なんて絶対に女子が一人もいないに決まってるんだ。
そんな所に行くなんて、私に死ねって言ってることと同じなの!!
「お母さん行かせて!あたし此処に落ちたら死ななきゃいけないの!!」
「何意味わかんない事を言ってるんだろうねこの子は」
「男子校だよ!?元男子校!!そんな所に行ったら校舎中が汗の臭いムンムンで髭とか生やした男子が廊下を歩くんだよ!?そしてその廊下に私も通らなきゃいけないの!死ねって行ってるようなもんでしょう!?」
それだけ私が一気に捲し立てて言えばお母さんはため息をついて私の頭を軽く叩いた。
私がお母さんを見ると、鬼の顔をしたマイマザー………。
もうキレる数秒前って感じで、でもこれだけは私も引けなくてお母さんに頼み込んだ。
「お願い!お母さん、行かせてください!」
「駄目ですっ!!」