サバイバル学園
トラの黄色く鋭い眼光がオレをとらえた。




オレとトラの距離は十メートル、トラがその気になれば、その距離は一瞬でなくなってしまう。




オレの頭の中に最悪の状況が思い浮かんで、オレの心臓が早鐘を打ち始めた。




そしてそのとき、体長二メートルほどの巨体のトラが、オレを標的にして動き始めた。




オレが今さら逃げてみても、もう遅い。




トラの脚力と人間の脚力には、大きな差があって、逃げきれるはずもない。




オレはその場で、機関銃を撃つのも忘れて固まってしまった。




オレの死は今、猛スピードでオレに迫っていた。
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