サバイバル学園
ガシャン!




鉄格子の扉は、大きな音を立てて、勢いよく閉じられた。




オレは音楽室の狭い空間の中に、ライオンと共に閉じ込められた。




オレはそのあり得ない事態に混乱し、体がプルプルと震え出した。




〈 チクショー!

こんなことってあるかよ!

どうしてオレが、ライオンと戦わなくちゃならないんだ!

勝てるはずがないだろ。

このオレがライオン何かに…… 〉




「どうしたの、田代翔太くん。

早く武器を手に取りなさい。

そうでなくちゃ、あなたは素手でライオンと戦わなくちゃならないのよ」




オレはまるで他人事のようにそう言った北村先生をギロリとにらみ、震える足で立ち上がると、地面の上に無造作に置いてある日本刀を手に取った。




〈 アニキ……。

オレ、勝てない相手かもしれない相手だけど、全力で戦います。

男は気迫だって、アニキがオレに教えてくれたから……。

逃げまわって、殺されるなんて、本当にみっともない。

だからアニキ、オレに勇気を分けて下さい 〉
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