サバイバル学園
微かに聞こえてくる猛獣のうなり声。




決して空耳ではないその声をハッキリと意識したとき、オレは恐ろしくて体が凍りついた。




〈 あと一時間でサバイバルイベントは終わるのに、何でだよ!

ゆっくりと階段を下りてくる猛獣は、いったい、何だ? 〉




オレはそう思って、恐怖に怯えながら、ライフル銃を握りしめた。




〈 お願いだから、オレに気づかずに通り過ぎてくれ。

お願いだから…… 〉




猛獣のうなり声が、しだいにオレに近づいてくる。




オレはそれが恐ろしくて、静かに息を止めた。
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