サバイバル学園
オレが振り下ろした日本刀がライオンの首を切り裂いた。




その瞬間、ライオンは雄叫びを上げて、顔を上げると、オレの存在に気づき、ギロリとオレをにらんだ。




オレの体の倍以上あるライオンと目が合うと、オレはその威圧感にゾッとした。




普通に戦ったならば、絶対に勝てない相手。




だけどオレは、そんな絶対的な強者にも、退くつもりは少しもない。




舞子が殺られて、オレだけが逃げ出したら、そのときに、オレはオレでなくなるんだ。




「何やってんだよ!

逃げろよ、虎男!」




舞子の幻が、オレにそう叫んでいた。




オレは日本刀を低く構え、次の一撃で勝負を決めようって、心に誓った。




迷えば、自分に自信が持てなくなる。




だからオレは迷わない。




舞子のために……。

そして、自分のために……。
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