サバイバル学園
「ムチャするなよ、虎男!

ライオンに日本刀だけで、戦おうとするのは、虎男とハヤブサくらいだよ。

いくら気持ちがあったって、勝てるはずがないだろ?

どうしてあのとき、虎男は逃げなかったんだよ!」




舞子はオレにそう言って泣いていた。




いつも強がっている舞子が、人前で泣くのをオレは見たことがなかった。




舞子は悲しいときも、悲しくないフリをしていたから……。




舞子はつらいときも、つらくないフリをしていたから……。




オレは声を上げて泣いている舞子の頭を優しく撫でて、舞子に話しかけた。




「舞子、ごめん……。

オレ、舞子との約束を守れなかった。

オレが舞子を守ってやるって言ったのに、オレはその約束を……」




オレはそこまで言うと、悔しくて、不意に涙をこぼしていた。




オレは舞子や大切な仲間たちと、ずっと一緒にいたかった。




オレの仲間たちは、いつもオレのそばにいて、仲間たちが大切だなんて、気づかなかった。




だけど、もう一度、時間を戻せるなら、オレは仲間たちとの時間を大切にしたい。




何気なく仲間と一緒にいた時間。




みんなで顔を合わせて、笑った瞬間。




一緒に悪さして、悪態ついてたあの時間。




あのキラキラしてた時間って、二度と戻って来ないんだと思うと、オレの涙は止まらなかった。




オレはあのときに戻りたい。




仲間たちと一緒にいたあのときに……。
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