サバイバル学園
「虎男、何泣いてんだよ。

お前らしくねぇぞ」




オレは不意に聞こえてきたハヤブサの声に涙を拭って、顔を上げた。




「アニキ、泣かないで下さいよ。

オレまで悲しくなりますよ」




聞きなれたチョロ助の声。




「虎男、いつまで泣いてんだよ。

お前はいつでも、笑ってろよ」




オレを励ます学ちゃんの声。




「虎男さん、泣いてる虎男さんは好きじゃないです。

オレが好きなのは、いつでも強い虎男さんだから……」




いつもオレを慕っていたレスラーの声。




「虎男くん、泣かないで。

虎男くんが泣けば、みんなが悲しくなるの。

みんなは虎男くんの笑顔が好きなのよ」




いつも優しい美愛の声。




オレはみんなに泣くなと言われても、こぼれ落ちる涙を止めることができなかった。




だってオレは、みんなに囲まれていたキラキラした毎日をなくしてしまったから……。




なぁ、みんな。

時間って巻き戻せないのかなぁ。




オレたちは、もう一度、仲間としてやり直せないのかなぁ。




オレは涙を拭って、みんなと向き合い、自分の思いを声にした。
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