裏アリ王子の彼女になりました(ニセの)
そして、あたしも琉生くんも無事に合格。


入学式の日、新入生代表で挨拶までした琉生くんは。


思った通り優しくて、頭が良くて、誰からも好かれて、あっという間に学園の王子様になった。


来年の学校案内の表紙も飾った。


琉生くんの周りはいつもたくさんの女の子で溢れてて。


あたしはクラスも違ったし、とてもじゃないけど近寄れなかった。


あのときの消しゴムも、まだ返せてないまま。


いつか話す機会があったら返したくて、スカートのポケットに入れて常に持ち歩いてるんだ。
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