最強モテ子と落ちない彼
「具合悪いでしょ。多分、熱あるよ」


「いや、私オバケだし・・最後までいないと 」

「僕達が最後の方だったから、もういいよ。いいから行くよ」

高村は私を引っ張って歩き出す。

小宮さんがびっくりした顔で高村と私を見つめていた。


誰もいない暗い廊下を二人で歩く。

「あの、高村」

「なに?」

「ありがとう。具合悪いの気がついてくれて」

高村がぷっと笑った。

「なんで、笑うのよ!」

「いや、中学の時はさ、具合悪い?って聞いたらほっとけって言われたな〜って思い出して。
ずいぶん素直になったよね、天野」

「あの頃は、なんていうか、反抗期・・みたいな?
高村こそ、そんな昔のこと、よく覚えてたわね」

私にとっては大事な思い出だけど、
高村にとっては?

「記憶力いいから、僕」

なんだ。

ちょっとだけ期待して損しちゃった。

























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