最強モテ子と落ちない彼
翌朝。

睡眠不足のせいか、まだ少し熱っぽいし身体が重い。

高村は約束通り、保健室まで迎えに来てくれた。

「天野さん、お大事に。
じゃあ、高村くんよろしくね」

保健の先生に見送られて、二人で学校を出た。


家まで送ってくれるなんて高村らしくなく優しいな~なんて思ったけど。

もしかして、クラス合宿が面倒なだけなんじゃ・・・
早く帰れてラッキーとか思ってそうだ。

私は高村の横顔を見つめる。

「高村さぁ、昨日言ったこと覚えてる?
本当に私と付き合ってくれるの?」

「天野がいいならね」

「・・・けど、高村は私のことなんて何とも・・・可愛いとも思わないんでしょ?」

そうだよ、とても好かれてるなんて思えない。

いつも自信満々の私だけど、高村にだけは自信なんて持てない。

「僕も人並みの美的感覚はあるから、天野の容姿が整ってることは否定しないよ」

も〜なによ、それ。

「容姿が整ってることなんて、私が一番知ってるわよ!
そういう事じゃなくて・・容姿とかじゃなくて・・」


「あぁ。僕が天野を好きか聞きたいってことね。

昔はさ、正直苦手だった。
天野、ワガママだし高飛車だし気が強過ぎるし。何より、僕には華やか過ぎてちょっと疲れる。
そういう意味では今でも苦手なタイプなんだけど・・」
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